鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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名探偵コナツ

名探偵コナツ 第16話   江戸川乱歩類名探偵別トリック集成⑯

「ない、ないよ!」 鞄の中身をひっくり返しながら小野田大樹が叫んだ。 その様子にクラスメイトが注目した。 私と佐藤由乃もだ。 そんな中、由乃がお節介にも近寄っていった。「一体何がなくなったの?」「それは……秘密です」 由乃が聞くと、小野田が言いに…

名探偵コナツ 第15話    江戸川乱歩類名探偵別トリック集成⑮

「恐いんですよ」 小野田大輝は言った。痴漢で警察に捕まったが、無事復学して、また由乃に付きまとっている同級生だ。 わけあって現在実家で一人暮らししているのだが、誰かに家の中を覗かれているようで不安なのだという。「それで名探偵である江戸川さん…

名探偵コナツ 第14話   江戸川乱歩類名探偵別トリック集成⑭

由乃に誘われて私は遊園地にやってきたのだが、なぜかばったり神津刑事と出くわした。 「本物の刑事さんなんですか? わーかっこいー」 由乃は大はしゃぎだ。 神津刑事は私たちを園内のカフェに誘い、先ほど園内で起こった殺人事件について話し始めた。 内容…

名探偵コナツ 第12話   江戸川乱歩類別トリック集成⑫

「危ないですよ、そこ」 小野田大樹が佐藤由乃の先回りをし、道に転がっている空き缶を拾った。「ありがとう、小野田君」 由乃は笑顔で礼を言った。 私と由乃、クラスメイトの小野田の三人は一緒に下校しているところだった。「あ、危ないです。視線はまっす…

名探偵コナツ 第11話   江戸川乱歩類別トリック集成⑪

地元の球場でうちの野球部が試合をやっていた。 奇跡のエース・野間勇次が投げる一球一球に歓声が上がった。 終わってみれば完封。味方は一点入れたのみだったが勝利した。「なっちゃん。うちのエース、すごかったね。このまま甲子園まで行っちゃうんじゃな…

名探偵コナツ 第10話   江戸川乱歩類別トリック集成⑩

日曜日、昼下がりの喫茶店、食後のコーヒーを飲んでいると、スマホに知らない番号から着信があって私は電話に出た。 相手は知人から私が探偵であることを聞いた人間で、端的に言うと依頼人だった。 依頼内容は、小学校低学年ぐらいの女の子に腕を噛まれたの…

名探偵コナツ 第9話   江戸川乱歩類別トリック集成⑨

佐藤由乃が私を別荘に誘った。 そのため私は一人、曲がりくねった細い坂道を上っていた。迎えはなし。由乃本人は別荘で待っているそうだ。 道の両脇にはちゃんと住居が建っていた。建物の土台の位置の高さがそれぞれ違っていて、一般の住宅地よりごちゃごち…

名探偵コナツ 第8話   江戸川乱歩類別トリック集成⑧

テーブルには二つのマグカップが置かれていた。 赤いマグカップと青いマグカップだ。 赤いマグカップには毒が入っていて、被害者はそれを飲んで死んだ。 青いマグカップを利用した人物が犯人、と警察は考えていた。少なくとも神津刑事はそう考えていた。 被…

名探偵コナツ 第7話  江戸川乱歩類別トリック集成⑦

私が自分の席に座ってあくびしているときその事件は起こった。「ない! 私の財布がない!」 大声を上げたのはクラスメイトの明石恵だ。 私は二度目のあくびをかみ殺しながら、机に鞄の中身をひっくり返している明石のところに行った。「財布を最後に見たのは…

キャラクター名変更についてのお知らせ

小夏と小乃子、「小」がかぶるじゃん! ということで、佐藤小乃子はこのたび佐藤由乃に改名しました。

名探偵コナツのイラストについての謎

誰がこのキュートなキャラクターイラストを描いているのか? 紅白法師@お仕事募集中 - pixiv ジャジャン! 紅白法師さんです! 多謝! 他のイラストレーターの方の紹介の時も思ったのだが、どうすればもっとうまく紹介できるんだ!? ということで、今回は…

名探偵コナツ 第6話   江戸川乱歩類別トリック集成⑥

「ねえ、ロマンチックだと思わない?」 小乃子が言っているのは、この学校に最近流行り始めたお呪いの話だ。好きな人と制服のネクタイを交換すると、恋が成就するのだという。 くだらない。 ネクタイを交換するような相手なら告白はほぼ成功するに決まってい…

名探偵コナツ 第5話   江戸川乱歩類別トリック集成⑤

土曜日、小乃子が調理部の友人にお誘いを受けて、それに同行する形で私も調理部の活動に参加することになった。 待ち合わせの時間は午後三時だったが、学校に早く来すぎてしまった私と小乃子は午後二時の時点で調理室を訪れた。 ドアを開くと、人が倒れてい…

名探偵コナツ 第4話  江戸川乱歩類別トリック集成④

私は戸山宗司が住むアパート前にやってきた。スマホのメモ帳を見て、間違いなくそこが戸山のアパートだと確認してから、周辺での聞き込みを行った。 聞き込み相手は同じアパートの住人であったり近隣住民であったり、たまたまアパート前を歩いていた人だ。 …

名探偵コナツ 第3話  江戸川乱歩類別トリック集成③

左右に民家の建ち並ぶ道を歩いていると、人だかりが目に入った。その隙間から民家の駐車場に止まっているパトカーが見えた。 私は通り過ぎようとしたが、人だかりを尻目にしたところで気分が悪くなってその場に座り込んでしまった。あーだめだ、放っておけな…

名探偵コナツ 第2話 江戸川乱歩類別トリック集成②

放課後、校門に向けて歩いていると、クラスメイトの佐藤小乃子(さとうこのこ)が隣に並んだ。長い黒髪に白い肌、ほっそりした体つきと三拍子揃った美少女だ。走ってきたので少し息が荒かった。「江戸川さん、今日は大変だったね。新学期早々あんな事件に巻…

名探偵コナツ 第1話  江戸川乱歩類別トリック集成①

江戸川なんて名字のせいか、私はよく事件に遭遇した。名字が江戸川だからって事件に遭遇すると考えるなんてオカルト以外の何物でもない。だが、ではなぜ私は普通ではありえない高い確率で事件と遭遇するのか? こればかりは何度論理的説明を試みても納得のい…

名探偵コナツ0 名探偵登場!

呪い。 そんなものあるわけがないと人は笑うだろう。 だが、あるのだ。 例えばここに江戸川小夏という名の少女がいる。 その名前を聞いてピンと来る者もいるはずだ。 そう、あの日本でもっとも有名な推理作家と同じ名字だ。 両者に血の繋がりはない。 あちら…