この素晴らしい世界に祝福を! 略して「このすば」の魅力とは何か?
ずばり、セクハラである。
なんと身も蓋もない、とおっしゃる人もいるだろう。
……すみません。
セクハラはあくまで要素の一つであって、一番に来る理由ではない。
ですよねー。
キャラが魅力的だからだ! 特にヒロインは可愛い! その可愛さに負けて主人公のカズマがセクハラしているだけだ!
その通り。
だが、あえて言おう。
『このすば』という作品の一番の醍醐味はセクハラだと。
第一期の最終話(おまけ回かなんかだと思う。なので第一期をすべて見たという友人がなぜかその回は見ていなかった)、カズマはドM妄想美人のダクネスに対してこんなことを言い放つ。
「ダクネス、お前には最初からおっぱいしか期待してない。おまえはおっぱいだ!(たぶん台詞の細かい部分は違うと思うがこんな感じだった)」
初めてそんなセリフ聞いたわ!
秀逸すぎる。
オリジナリティ溢れる発言である。
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ちなみに俺は大学ノートに書いた文章を Google ドキュメントで音声入力しているのでこのセリフを声に出して言わないといけない。
壁が薄いので近所の人に聞かれたらどうしようかと心配である。
主人公だけでなく作者もヒロインたちにセクハラしている。
「私は大きくて硬いものじゃないともう我慢できない体になってしまったんです」
ロリっ娘魔法使いめぐみんの台詞である。
もちろんロリっ娘はそれがエロいセリフとは理解していない(はず)。
爆裂魔法で破壊する対象物として「大きくて固いものでないと満足できない」と言っているだけだ。だが、聞く人が聞けばかなり際どい表現だ。それを神――創造主である作者は言わせているのだ。
なんというセクハラ行為!
確かめぐみは14歳だとか。日本なら中学生だ。そんな子に『大きくて硬いもの』」などというセリフを言わせるとは……!
愉快な……おっと、由々しき問題である。
最近読んだツイートで海外と日本の性犯罪について対比したものがあった(重い話をする気は全くないがタイムリーだったものでご了承ください)
向こう(おそらく欧米)ではそれは対立であり反発である。日本のそれは浸食である。みたいなことが書かれていた。
浸食とは何か? じわじわと迫ってくる感じ。自己と他者の境界が曖昧な感じのことらしい。
欧米では個人主義が確立されていて、日本では未発達だからそのような差が出てきたのだろうか?
で、今ひらめいた。
欧米は磁石。
日本は石鹸。
欧米はノーなら反発、イエスならくっつく。
日本はノーならもちろん最初はくっつかないんだけど、いつのまにかくっついてるみたいな? 少なくとも加害者側はそういう期待をして行為に及んでいる。
使っていて小さくなった石鹸を新品の石鹸とくっつけるやつ。俺、あれが大嫌いなんだが、ああいった感じを想像した。
で、思い出したのがアメリカに住んでいる日本人夫とアメリカ人妻の夫婦。夫が精神的に不安定でカウンセリングを受けた結果、どうも甘えたいのに甘えられないのが原因らしいと判明。
甘えたい時に甘えたいとちゃんと言うようにとカウンセラーはアドバイスをした。
アメリカの文化では意思表示が大事で、察して甘やかすということがないからだろう。日本でもあるのか疑問だが、あるんだろうな、きっと。
要は日本人は甘やかしてほしいのだ。甘えたいのだ。
これぐらならいいじゃん、と相手の了承を必要とすることを了承なしにやって、それでも許されるはずだと信じ込んでしまう。それが痴漢やセクハラの行動原理なのだろう。
このすばの場合、実際に許されてるしね。いや、入浴を覗かれたりエロいことを言われたりするとヒロインたちは怒るんだけど、すぐに元通りの関係に戻るし、パーティは解散しないし、好意すら示すこともあるから、そういうのは実のところ『許している』部類に入ってしまうのだ。
このすばヒロインたちは男の浸食を許してくれる、理想的なチョロいヒロインたちなのだ。
みんなこういうのが好きなんだ!
俺も好きだ!
追伸
セクハラはダメ、絶対!
あくまでこの記事はフィクションについて書かれたものです。
時代劇でヒーローが裁判もなしに敵をばっさばっさと斬り殺しているのと同じです。
真似してはいけません。
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