鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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眠い

 今期のアニメは、パリイする、ハズレ枠が見てて、続きが気になる。推しの子はもちろんおもしろい。逃げ上手は、歴史を知ってると、ラストがモヤッとするだろうなと今から心配してる。どうせ漫画の最終回まではやらないだろうけど。たぶん漫画も最終回じゃないだろうし。ネトフリは、ストレンジャー・シングスがおもしろい。

一気見した面白いアニメ2選

 ガールバンドクライ 3Dを敬遠してみてなかったが、めちゃおもしろい。ラストは逆転してほしかった。ここはぼっちざろっくと同じで残念。

 

 烏は主を選べない オチは薄々わかるが、素晴らしいミステリになっていて俺好み。最終話が楽しみ。と思っていたら、2クールやるらしい。

今日はいい日だ―ショートショートー

 真っ昼間の公園。日差しは暖かく、ベンチに座っていた松本はぼんやりとしていた。こうしていると今抱えている悩み事などどうでもよくなってくる。今日はいい日だ。そう思えば確かに今日はいい日なのだ。
 そんな平和なひとときに水を差すように、突如現れた老人がベンチに座っている松本の目の前でこれみよがしに空き缶を拾うと、持ってきていたビニール袋に入れた。松本が捨てたものではなかったが、放置していたのを責められたようで気分が悪い。
 不快な光景を遮断するため目を閉じようとした松本の目前に、老人はビニール袋を突き出した。
「……なんですか?」
「君も拾いなさい」
「はあ?」
 思わず声が出ていた。なぜ俺が見ず知らずの老人の空き缶拾いを手伝わなくてはならないのだ?
「……いや、俺はいいです」
「年寄りの言うことは聞くもんだ」
「だからなんで俺が――」
 声を荒らげそうになって言葉を止めた。ここで感情に任せたらいい日が不幸な日へと転じかねない。
 仕方なく松本はビニール袋を受け取ると、老人の空き缶拾いを手伝うことにした。
「ボランティアですか?」
「そんなようなものかな。それより、アルミ缶はペットボトルなんかと違って結構いい金になるんだ」
「へー、それは知らなかった」
 松本は愛想よく応じつつ、結局金目当てかよ、と老人を馬鹿にした。なんだ、このじーさん、一人じゃ恥ずかしいから俺を仲間に入れたのか。
「君も知っておいた方がいい。プラスチックはリサイクルするより新しく作った方が安上がりだけどアルミはそうじゃないんだ。リサイクルした方が安上がりになる。だから買い取ってもらうとき高く売れる」
 老人はペラペラと偉そうに講釈をたれた。日頃から話し相手にも事欠いているんだろう、と松本は思った。だからこんな昼間から公園に一人で来ている。公園以外に他に行くところがない寂しい人生なのだ。小綺麗な格好をしているがホームレスなのかもしれない。
 三十分ほど空き缶拾いを手伝い、喉の乾いた松本は自販機でペットボトルのお茶を買って飲んだ。一方、老人は持参していた水筒の蓋を開いた。
「中身はなんですか?」
「水だよ。これが一番いいんだ。安上がりだし。君はペットボトルなんて贅沢だな。少しは節約したらどうだ」
 もはや反論する気にもならなかった。どうやら老人はお節介が大好きらしい。金はなくてもお節介は焼けるからな、と松本は老人をまた馬鹿にした。俺もあるわけじゃないがこのじーさんよりはましだ。
 老人は立ち上がり、そろそろこの場を立ち去る様子だったので、空き缶の入った袋を渡そうとしたら老人はそれを松本に押し返した。わけもわからず松本は立ち尽くした。
「さっきも言った通りこれを売れば金になるから少しでも生活の足しにしなさい。だが施しを与えるのは今回だけだ。これからは自分で稼ぐ努力をするように」
「はあ・・・・・・?」
「釣った魚を渡すのではなく釣り方を教える。それが私の方針なんだ」
 お前だって貧乏だろ、と松本は内心で毒づいた。とにかく老人の上から目線に腹が立った。さすがに何か文句を言ってやろうと松本は思ったが、老人は公園の出口に向かってしまい機を逸した。
 道路に黒塗りの高級車が止まった。老人と同い年くらいの年齢の男が降りてきて後部座席のドアを開くと、老人は中に乗り込んだ。運転手は決して老人の家族といった雰囲気ではなく、主人と雇われ人といった関係に見えた。介護人といった感じでもない。
 運転手がドアを閉める前、老人は松本に目をやると、水筒を掲げた。
「ジュースなんかより水道水の方がよっぽど健康的だ。これもそうだよ。浄水器はつけてるがそもそも天然水より基準が厳しいからね。水道水を飲んだ方が体にいいんだ。また公園に来ていろいろと教えてあげよう」
 高級車は走り去っていった。どうもあの老人、俺をホームレスと勘違いしたらしい、と松本はやっと気づいた。つまり自分は金持ちの道楽に付き合わされたのだ。
 まあ、仕方ないか。よく考えれば、今の自分は確かにホームレスのような生活だ。服装はボロボロだし、定住先も決まっていない。松本は客観的に自らの姿をかえりみた。
 ただ、松本が自分をホームレスと自己認識できていなかったことには理由があった。強盗でヘマをやらかし逃亡犯となった松本は警察に追われているという気持ちが強すぎたのだ。だが、逃亡資金が尽きかけていて、本格的にホームレスになりかねない状況ではあった。
 松本はベンチに腰掛けて、空を見た。じーさんは老人だったし、運転手も老人だった。いいことを思いつく。老人が次に来た時、あの車に押し入って屋敷まで案内させよう。そして金目のものを根こそぎ奪うのだ。そうやって逃走資金を稼げばいい。ずっと悩んでいたが、やっと答えが出た。今になって初めて松本はお節介な老人に感謝した。そして改めて思った。やはり今日はいい日だ。

 


オレは猫だが

『夜のクラゲは泳げない』ガールズバンドを超えた傑作青春エンターテイメント!

 また女子がわちゃわちゃするやつかと最初は期待してなかったんだが、おもしろい。    

 女子グループの青春サクセスストーリーもの。

 現代日本が舞台。

 それぞれ問題を抱えた女子たちが集まって音楽活動をやり、それぞれの能力を発揮してSNS上でそれなりの評価を得ていく。

 新しいのは、主人公が楽器ではなくイラストが得意ってことだろう。それが従来のガールズバンドもの(けいおんとぼっちざろっくしか見たことないが)にはない新しさ、話の展開を生んでいる。

 女子Aはイラストが得意で、メンバー内で最も普通。いわゆるお嫁さん、彼女にしたいタイプ。

 女子Bは元アイドルで、ボーカルをやっていて、音楽活動の発起人。エンジン全開のトラブルメーカー風味。

 女子Cは女子Bのファンで、ピアノと編曲が得意。お嬢様風だが、ファン過ぎてストーカー気質。

 女子Dは引きこもりだが、Vチューバーとして活躍している。変わり者で能力は高いが、意外と豆腐メンタル。

 音楽力と肩を並べるほどイラスト力に焦点が合っているため、それが作品に奥行きを与えるギミックとなり、ガールズバンドものと一括りにはできない見事な青春エンターテイメント作品に仕上がっている。 


「夜のクラゲは泳げない」Blu-ray Vol.1[期間限定版] [Blu-ray]

小説 夜のクラゲは泳げない 1 (ガガガ文庫)