鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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眠い

 昨夜五時間ぐらいしか寝てなかった。カルディでコーヒー豆を買ったが、粉になってた。豆を買うはずだったのに! 店員に話しかけられて何も考えず応対していたらそうなってた。家に帰ってから気づいて地団駄を踏んだ。IQめっちゃ下がってた!

耳鼻科

 今日耳鼻科行ってきたんだが、すごい混んでた。立って待っている人がいるほど。ここ最近? 予約制になっていて、俺の後から来た人が追い返されてた。五人くらいかな。新しい人が来るたびに、すでに中にいる人達が注目して一種の公開私刑みたいになってた。恐ろしいことだ。

今期のアニメ2

 即死チート。まさに最強の主人公が活躍する話。ちょっと倫理観を外れているところが見る人を選ぶかも。嫌なら見なきゃいいだけだし文句を言う筋合いはない。俺は気楽に楽しんでる。

 外科医エリーゼ。主人公が現代医学で無双する話、なんだけど、この異世界結構医学が進んでいて、主人公の手術力を活かす環境が整っていてその世界の医師は主人公の話をちゃんと理解できるので、話は早い。

 火狩りの王第一シーズン(なので今期ではない)。昨今のアニミでは珍しく暗い。出来は悪くない。痒いところに手が届いているような届いていないような一筋縄ではいかない作品。見て判断してくれとしか言いようがない。

 佐々木とPちゃん。淡々と進む。作画枚数が少ない気がする。ダイジェスト一歩手前? 押さえるところは押さえているらしく、つい見てしまう。これがプロの仕事ってやつか。

 ぶっちぎり。戦闘シーンを今の三分の一以下にしてくれたらコメディとしてもっとおもしろくなると思う。

今季のアニメ

 ループ7回目なんとか、は女性向けなだろうけど、今のところ楽しくて見てる。主人公が性格悪いと思っていた俺様系の男と結ばれるのがたぶん物語の主軸。で、主人公は七回人生を繰り返して色々なスキルを身に着けているので、無双するのだろうって期待をしながら視聴者は楽しむわけだ

 レベル99なんとか、も女性主人公で二話目か三話目で早速生意気な連中をギャフンと言わせてくれてシンプルに面白い。今後も、あー面白かった、てな展開が続くはずだ。

 俺だけレベルアップなんとか、は戦闘シーンが個人的な好みから言えば長いので三分の一くらいにして話をサクサク進めてほしいところ。

 月が導く異世界道中第二シーズンは、第一シーズンを面白く見れたなら、引き続き楽しめると思う。ストーリーの展開にひねりを加えてきたので作品に深みがました感はある。

 魔女と野獣、は一話目が良かった。なんとなく予想のつく裏があるわけだが、それでもこういうのを一話完結で毎回見たいと思わせるクオリティがある。二話目三話目で合わせて一つの話だった。こちらも一話完結にしてほしかったところ。

 おそらく中国アニメ。GS美神を真面目にした感じだが、上記と同じく一話完結なら良かったのにと思わせるコンセプトの良さ。ただこれは二話完結なのだ。しかも過去シーンが長い。そこはぜひ短くしてほしかった。今更無理な話だが。

 ブレイバーン。予想通りには行かない展開が続く。今後も目が離せない。しかし全話見終わったあと素直に面白かったと思えるかどうか、予備知識のない身としては判断しかねている。個人的には主人公がブレイバーンという力を手にしたことで拷問野郎への復習を皮切りに力に溺れて世界征服まで突っ走っしてくれれば言うことなしなのだが。小さくまとまらないことを祈るのみ。

数年ぶりに飲んだ。

 数年ぶりに酒飲んだ。

 飲み会があったわけだが、メンバーの一人がボトルで入れるかって言い出して、芋焼酎を一本入れた。他のメンバーは車であったり年齢であったりで飲酒はしない。そいつと俺しか飲まないわけだが結局一本開けた。

 俺一人で半分近く、少なくとも三分の一以上は飲んだ。酔っ払った感覚はあったが、足元は最後までしっかりしていたし気持ち悪くなることもなかった。

 夜一時すぎに就寝。ずっと寝れなくてちょっと寝て目覚めたらまだ夜の二時半だったときは暗澹たる気持ちになった。

 それからもいまいち眠れなかったがいつの間に眠りにつき起きたのは午前七時前だった。頭は割とスッキリしていた。胃がちょっと変な感じだったのは酒のせいというよりは締めのラーメンのせいだろう。

 まあしかし、二度と酒は飲まないと決めた。飲酒の楽しみより俺は睡眠のほうが断然大事だと改めて気付かされた出来事だった。

名探偵コナツ 第73話  江戸川乱歩類別トリック集成(73)

「あいつが手紙を盗んだに決まってる」
 私たち探偵の前で彼女は言った。
 私を含めてその場には十一人の探偵がいた。中途半端な数だが、とりあえず彼女はそれだけの人数を雇った。
「私は間違いなく家から歩いて五分のところにある農協前の郵便ポストに手紙を投函した」 彼女は二十九歳で、去年親の勧める相手と結婚した。
 その半年ほど前には別の男と付き合っていて、その彼氏が手紙を盗んだと彼女は考えていた。
 その彼氏はダンボールアーティストであり、段ボールでいろいろな物を作ることを生業としていた。実用的な物から芸術的な物まで幅広く手がけていたが、大した金にはならなかったらしく、彼女の親の反対もあり別れた。そのとき大げんかしたらしく、未だに元彼が自分に恨みを抱いていると彼女は思っていた。
「手紙を出す前、あいつにLINEしてやったのよ。ものすごい悪口を書いた手紙を家の近くのポストに明日投函してやるってね」
「なんで明日だったんですか?」
 サングラスの探偵が聞いた。サングラスをしているだけで強面ということはない。むしろ気弱な印象を受けた。
「まだ手紙を書いてなかったし、タイムリミットを示してやった方が苦しみも倍増するかなって思って。その方が気分が良くならない?」
 サングラスの探偵は何も答えなかった。
「それで思い詰めて私が投函した手紙を盗んじゃったんでしょうけどね。これであいつも前科持ちだ。ざまあみろ」
 その後も探偵たちから依頼主である彼女に対して様々な質問が飛んだが、私は黙っていた。
 その後解散となり、探偵それぞれが事件の解明に当たることになった。
 彼が段ボールアーティストとわかった時点で、トリックには見当がついていた。
 彼についてネットで検索してみる。画像だけでそのすごさがわかった。ただの段ボールが彼の手にかかればあらゆる物に化けた。本棚を作ればそれはまるで木製の物のようだし、金庫を作ればそれはまるで金属製のようだった。
 だから本物そっくりの郵便ポストを作ることも簡単だった。
 問題は、どうやって彼女に本物と偽物の位置を錯誤させたかということだ。被害者はいつもその郵便ポストを使っていた。そしてそこに投函した。単純に考えて郵便ポストの位置が違っていれば気づいたはずだ。
 私は歩きながらそこまで考えを進めると、件の郵便ポスト前に立った。もちろん段ボールなんかじゃなくて本物だ。
 私を除く十人の探偵はすでにその場にいて郵便ポストを調べていた。
 その郵便ポストはわかりやすい場所に立っていた。他の場所に偽物があったとしてそちらに投函する可能性はゼロに近いように思えた。
 もし間違えて投函してしまったとしても、手紙が盗まれたと考えた時点で、郵便ポストが違う場所にあったと気づきそうなものだ。探偵を十一人も雇う前に。
 それとも、本物そっくりでありながら、少し大ぶりに作った段ボールの郵便ポストを本物にかぶせたのだろうか?
 それは投函した手紙が本物の郵便ポストの内側には入らず、偽物と本物のポストの隙間に入るような仕組みだったのか? だとしても、やはり違和感があったはずだという結論に達した。
「あえて間違えた」
 思考に上る前にその考えを私は口にしていた。
 そうやって言葉にしてみると、それが真実のように思えた。
 私はその場を離れた。
 他の探偵はまだ郵便ポストを調べていた。
 私は彼女と彼のアパートで会った。部屋の中は段ボールによる創作物であふれかえっていたが、郵便ポストは見当たらなかった。
 私はここで謎解きするつもりでいたが、彼女は嫌がった。
「こいつの悪事、どうせならみんなの前でばらしてやりたい」
 と言うので、人通りの多い道に三人でやってくることになった。
 その頃には十人の探偵たちも合流した。
 彼女はスマートフォンで録画を始めた。
「どうせならこいつの悪事、世界中にばらまいてやる」
 と彼女は嬉しそうに言った。
 彼の顔はどんどんと暗く険しくなっていった。
 私は聞く。
「あなたが手紙を盗んだ?」
「そうだ。まさかだまされるなんてバカだよ。女は地図が読めないとかいうけど、そういう類いなのかね」
「あんたねえ・・・・・・!」
 彼女は憤ったが、彼はせせら笑う。
「お前がバカじゃなかったら、こんな大事になることはなかったんだ。見てみろ。行き交う連中、みんな俺たちを見てるぞ。何だよ、この仮装行列は?」
 そう、私以外の探偵たちは控えめに言って派手な格好をしていた。依頼人である彼女がそのような格好をさせたのだ。私はなぜかミニスカふうの着物を着せられ、化粧までさせられた。
 その理由には見当がついていた。
 彼女が悪趣味だからということではなく、目立つためだ。
 私は言った。
「確かに大事になったのは彼女のせいだけど、それはバカだからじゃない。ある意味バカな行為だけど、ちゃんと考えがあってのことだった」
 ちょうど神津刑事が軽トラックに乗ってやってきた。
 軽トラックの荷台には赤いポストが載っていた。
「こいつの友人の家にあった。犯罪の証拠品なんだからさっさと捨てればいいのに」
 運転席から降りてきた神津刑事が言った。
「それができないことはわかってた。アパートの中も段ボール作品であふれてたしね」
 私は改めて彼に向き直った。
「彼女はバカじゃない。大事にすることが彼女の目的だった。だからあなたが事件を起こすように誘導した。この段ボールポストのできを多くの人に知ってもらうために。そのために無駄に多くの探偵を雇ったし、動画を投稿しようとしてる」
「恵、お前・・・・・・」
 彼は彼女を見た。
 彼女はうつむいた。
「徹のバカ・・・・・・」

 

 名探偵コナツ 第73話
 江戸川乱歩類別トリック集成(73)
 【第五】人及び物の隠し方トリック
  (D)死体及び物の替え玉