鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

名探偵コナツ 第12話   江戸川乱歩類別トリック集成⑫

「危ないですよ、そこ」 小野田大樹が佐藤由乃の先回りをし、道に転がっている空き缶を拾った。「ありがとう、小野田君」 由乃は笑顔で礼を言った。 私と由乃、クラスメイトの小野田の三人は一緒に下校しているところだった。「あ、危ないです。視線はまっす…

名探偵コナツ 第11話   江戸川乱歩類別トリック集成⑪

地元の球場でうちの野球部が試合をやっていた。 奇跡のエース・野間勇次が投げる一球一球に歓声が上がった。 終わってみれば完封。味方は一点入れたのみだったが勝利した。「なっちゃん。うちのエース、すごかったね。このまま甲子園まで行っちゃうんじゃな…

響ー小説家になる方法ー

新しいヤンキー漫画! 主人公は次々と強敵を倒し、最後は(将来の)総理大臣をぶっ倒す。そんな話。 注意点としてはこの漫画を読んでも小説家にはなれないということ。なぜ主人公の書いた小説は面白いのか? 主人公は天才だから! 参考にならない。 響~小説…

響ー小説家になる方法ー

新しいヤンキー漫画! 主人公は次々と強敵を倒し、最後は(将来の)総理大臣をぶっ倒す。そんな話。 注意点としてはこの漫画を読んでも小説家にはなれないということ。なぜ主人公の書いた小説は面白いのか? 主人公は天才だから! 参考にならない。 響~小説…

名探偵コナツ 第10話   江戸川乱歩類別トリック集成⑩

日曜日、昼下がりの喫茶店、食後のコーヒーを飲んでいると、スマホに知らない番号から着信があって私は電話に出た。 相手は知人から私が探偵であることを聞いた人間で、端的に言うと依頼人だった。 依頼内容は、小学校低学年ぐらいの女の子に腕を噛まれたの…

名探偵コナツ 第9話   江戸川乱歩類別トリック集成⑨

佐藤由乃が私を別荘に誘った。 そのため私は一人、曲がりくねった細い坂道を上っていた。迎えはなし。由乃本人は別荘で待っているそうだ。 道の両脇にはちゃんと住居が建っていた。建物の土台の位置の高さがそれぞれ違っていて、一般の住宅地よりごちゃごち…