鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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人気があるけどつまらない作品

 とある作品がつまらない。
 原因は何だろう、と考えてみた。
 理由その1、主人公の剣士が強そうで強い。
 にもかかわらずいつもギリギリで勝つためあまり強さが伝わってこない。
 つまりキャップがないのだ。
 裏を返せば、主人公は弱いものイジメをしていないということになる。
 強いんだけど、取り組んでいる課題が難しいためいつも苦戦してしまうのだ。ほめられこそすれ責められる筋合いはないはずだが、俺は責めてしまう。
 なろう系作品ばかり見慣れてしまったせいもあるかもしれないが、敵を圧倒する爽快感がないのだ。もしかしたら戦闘シーンが下手なのかもしれない。そのため戦いに勝利する姿を見ても読者はカタルシスを得られないのかもしれない。
 よく考えたら、ドラゴンボールとかワンピースとかいつもギリギリの戦いをしているけど、おもしろい。雑魚をあっさりあしらうシーンも痛快だ。今回取り上げている作品はそれがうまくできていない。
 要するに、主人公の強さを見せる演出が下手。
 理由その2、旅の仲間が平凡。
 真面目で優等生なヒロイン。
 元気で困ったちゃんな友人。
 二人とも間が抜けているが、それだけ。
 大して面白くない。真面目というのは個性だが、このヒロインはなんとなく真面目風なだけ。たとえば法律はちゃんと守るけど、それ以外の倫理や道徳は守らない、という真面目さもあって、『ただ真面目』であるよりその方がよりキャラクターが際立つはずだ。趣味に関してはすごく真面目だけど、学校での授業態度は最悪とか。その方が個性的だし、真面目風なキャラクターより話の展開にオリジナリティが出る。
 元気で困ったちゃんな友人も、ただうるさいだけというか、脈絡もなく変なことをするとか、方向性が定まっていないため魅力を感じにくい。
 そして、3人の関係性は変化しない。
 だから安心して見ていられるというのもあるが。
 いきなりドロドロの三角関係に発展されても健全な少年少女はびっくりしてしまう。愉快なドタバタコメディを見せてよとなってしまう。
 だから関係性が変化しないのはそれはそれで良いのだが、だったらもっと作品の幅を広げるというか、ストーリーを豊かにするというか、深みを与えるというか、それを可能にする個性をキャラクターに授けてほしかった。
 理由その3,ストーリーがつまらない。
 ストーリーの種類には大きく分けて二つある。
 主人公が変化するか、主人公が入ることでその世界が変化するか。
 そのどちらかだ。
 この作品は後者だ。
 その代表的な作品は水戸黄門だろう。
 悪代官を退治することで困っていた庄屋の家族が救われ、世界に平和がもたらされる。 この作品、そういうのがいまいちできていない。
 主人公が関わった後の世界が変わっていないというか、変わってはいるんだけど、それがわかりにくいというか。
 困ってる人間がどれだけ困っているか書けていないため、その人物が助かってもあまり感動しないのだ。
 というわけで、どうしたらこの作品がおもしろくなるか、次回アイデアを出してみようと思う。

 


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