鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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人気があるけどつまらない作品2

 ではどうすれば面白くなるのか?
 まず主人公を弱そうにする。周りもそのように扱う。
 そうすることでいざ活躍した時、何倍もの効果がある。
 明らかに主人公たち強いよねとわかっている場合はどうするか?
 方法は二つある。

1.相手が主人公たちのことを知らない。
2.相手が自分たちの方が強いと勘違いしている。

 だが、実際戦ったらすぐに主人たちの実力はわかってしまう。
 そのための解決策の一つに、絡んできた相手に対して無抵抗になり、読者のフラストレーションをためておく、というものがある。
 すると、その何らかの理由がなくなり、相手をぶっ倒した時に非常に痛快だ。
 ONE PIECE のルフィもそれをやった。
 とある酒場で空島の場所を聞いたら、居合わせた全員に大笑いされた。
 その時絡んできた相手になぜかルフィは無抵抗。
 理由は、別に夢の邪魔をするわけじゃないから。
 暴力を振るわれていたので普通に正当防衛でやっつけてもよかったと思うのだが。
 かなり不自然。
 でも演出上必要だった。
 いざ相手が空島への障害と分かると完膚なきまでに叩きのめし、読者は溜飲を下げるという寸法だ。
 最初の時点で軽く懲らしめてやる方が自分にとっても相手にとっても良かったと思うのだが、我慢して我慢して爆発っていうのは読者にカタルシスを与えるための有効な演出だ。

 男の美学と言うか……。
 しかし入れ墨を入れることで素人さんに絡まれないように予防するヤクザの方が平和的だよな、と思った。
 次に、旅仲間を魅力的にする方法について述べる。
 元気で困ったちゃんの友人は、実はとある国の王子。そのため、バカなのに行く先々で歓待されたり、その地位を利用してやろうと近づいてくる悪い輩がいたりして、と話がいくらでもできる。
 この素晴らしい世界に祝福を! のダクネスも大貴族の令嬢ってことで、普段とは別の一面が垣間見えてキャラクターに深みが増した。
 生真面目ヒロインはどうするか?
 生真面目と見せかけて実は希代の詐欺師。
 で、男に散々金を貢がせてその男達から逃げるために主人公たちのパーティーに加わったのだ。あーこれ面白い。
 全然懲りてないし反省もしていないので、行く先々で男を引っ掛けるのだ。それがいつしか大きなトラブルに発展して――いくらでも話が書けるじゃないか。
 というようにやっぱり大事なのはキャラクターだ。
 キャラクターが魅力的であればあるほど話は広がるし面白くなる。

 


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