「校舎裏に雀の死体があったんです」
大輝がそう言うと、由乃が見てみたいと言って私の手を引いたので、三人で校舎裏にやってきた。
「ないよ」
と残念そうに由乃。
「・・・・・・確かにあったんです」
大輝は悔しそうに言った。
財布から千円を出すと、私に差し出した。
「名探偵の江戸川さんに依頼します。雀の死体の行く先を探してください」
「依頼料としては安すぎるけど、いいよ。引き受けた」
昼休み、鰹節を手に入れた私は、雀の死体があったとされる場所にそれを置いた。鰹節にはGPS発信器を埋め込んである。
授業中スマホで確認していると、鰹節は移動して、ある地点で止まった。
放課後、私と由乃、大輝の三人はその場所に向かうと、途中猫が逃げていくのを目撃した。
そして、たどり着いたその場所には、鰹節と雀の死体があった。
名探偵コナツ 第66話
江戸川乱歩類別トリック集成(66)
【第五】人及び物の隠し方トリック
(3)死体移動による欺瞞
【ロ】短距離移動